企業ドクター貝井の【ためになるM&A知識】相続とM&Aの株価評価の違い

ためになるM&A知識

「うちの税理士が株価は5000万円くらいだと言っていたので、売却額も5000万円なのですよね?」

会社売却のご相談に訪れる経営者の皆様との、よくあるやりとりです。税理士さんが言う「株価」は、おそらく相続税法における株価と思われますが、結論を申し上げると、相続税法での株価評価と、第三者への株式売却時の株価評価は全く別ものです。

例えば、親から子への株式の相続に関して考えてみましょう。子が株価を自由に決定できるとすると、低額な株価評価をすることで相続税の納付を免れる、ということが容易に可能になってしまいます。そこで、相続においては、株価の評価方法を税務当局が一律に決定することで、税負担の公平と、税収の確保を図っているのです。

次に、M&Aでの第三者への株式売却の例を考えてみましょう。売り手は自己の利益を追求するため、できるだけ高く売却しようとするでしょう。逆に、買い手はできるだけ安く買おうとするでしょう。このような交渉によって決定された価格は、第三者同士がお互いの経済合理性を追求した結果であり、尊重されるのが原則です。例を挙げると、ペットボトルのお茶を150円で買おうが、10円で買おうが、1000円で買おうが、当事者が納得していれば問題ないのと同じです。

とはいえ、譲渡価額があまりにも「時価」から乖離していると、「経済合理性がない」と、税務上、問題になる可能性があります。あらかじめ、公認会計士など第三者の専門家による「株価算定書」を入手しておくことをお勧めします。

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